ウクライナ日本センター of Igor Sikorsky KPI

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リモートワーク

第三回日本語キャンプ

今年で三回目となるこの語学キャンプは例年オデッサに於いて開催されましたが、今年は諸事情の為、キエフ郊外の貯水池『キエフ海』の畔にある保養地、『GINTAMA BRITZ』に於いてキエフ以外にもオデッサ、ドネプロペトロスク、ニコラエフ、ハリコフ、リヴィフの諸都市から日本語学習者を迎え行われました。

 

今年このキャンプには六十名の学習者が参加しました。主体は日本語を専攻する大学生達ですが、中にはウクライナ・日本センターNTUU “KPI”(以下、UAJC)等の諸語学センターからの参加者も見受けられました。

 

一方教師陣は国際交流基金から派遣された日本語専門家を中心に、日本人講師陣八名を含む二十二名で、総勢八十二名の大所帯となり初日到着後のバーベキュー・パーティーは盛大なものになりました。

キャンプ到着翌日から、学習者達はそれぞれの日本語のレベルごとに分かれ、午前中は厳選された(毎回異なる)講師陣による楽しく、為になる授業を三日間受ける事が出来ました。手の空いてる講師陣は他の授業を見学する事が奨励され、書道の講師として招かれた私は、午前中みっちりと授業を見学させて貰いましたが、どの教室も笑顔や笑い声があふれていました。

昼食後は文化体験として、日本人講師による折り紙や書道のワークショップ、そして最終日に行われる、『文化祭』と銘打ったイベント準備に時間が割かれました。折り紙では、皆で協力して作れるものとして、薬玉などが作られ、書道では何度でも繰り返し書く事が出来る、水習字セットを使用した基礎の練習と最後にその基礎を全て使った漢字『永』を紙に清書しました。



土曜日の午前の授業を最後に学習者達は最終日の『文化祭』の準備に集中します。主にビデオカメラを使ったショートフィルムの製作、発表ですが此処でも日本人講師達は人気者で、多くの講師がカメオ出演しています。

土曜の午後からは国際交流基金から派遣された森田淳子先生(キエフ国立大)による発音、小林亜希子先生(言語大)によるスピーチ&原稿指導、宮﨑さとみ先生(UAJC)による会話、山口覚先生(エジプト)による読解、小野崎亮先生(ベラルーシ)による語彙、と五名の日本語専門家らによる教師を対象にしたブラッシュアップ講座が行われ、講師陣にとっても大変有意義な週末となりました。

最終日の『文化祭』では、五つのグループが各々2つに分かれ、10チームによる日本語でのショート・フィルム、演劇を含んだプレゼンテーションが行われ、優劣を競いました。どのグループの作品も、素晴らしい発想で甲乙つけ難く、審査員となった講師陣の頭を悩ませましたが、「赤ずきんちゃん」を題材にして、日本語学習初級者がよく間違える、『こわい』と『かわいい』をキーワードにしたプレゼンテーションをしたチームが優勝しました。

日本語キャンプ六日間での文化体験は書道と折り紙だけでは無く、授業の合間にはUAJCから持参した日本の伝統的な玩具、けん玉で遊んだりもしました。山口先生(エジプト)と樋口先生(ハリコフ)のけん玉での妙技には皆目を見張っていました。

二日目と四日目の朝食前に日本人には馴染み深い『ラジオ体操』も行われました。また、その後二日目は日本語だけではなく少林寺拳法も教えているミグダルスキー・ダニール先生(オデッサ)の少林寺拳法講座、そして四日目には松濤館空手2013年度欧州チャンピオンで教鞭も執るシテビナ・アリョーナ先生(ニコラエフ)による空手講座も行われ日頃の運動不足を解消しました。



夕食後の自由時間にはシニルキナ・エレーナ先生(言語大)が有志を募りJ-popダンスのワークショップが行われました。このワークショップは毎晩行われ、最終日の『文化祭』ではAKB48の曲、「心のプラカード」という曲が披露されました。このダンスの発表では実際に自分の希望を書いたプラカードを持って踊ったのですがある参加者のカードには「来年またキャンプへ行きたい!!!」と書かれていました。

この楽しくも勉強になるキャンプの準備をして下さったノレンコ・オリガ先生他キエフ国立言語大学の先生方、地方から、またエジプトやベラルーシ等国外から集まって下さった先生方の御蔭で多くの参加者は日本語能力試験や弁論大会、留学試験等、自分の目標に向けてのモチベーションを高める事が出来たと思います。



日本語学習者の皆さん、是非来年は参加してみて下さい!

ウクライナ・日本センターNTUU “KPI”
中村仁